比較

ECS2・8068・bx_console SSL 4000 Eの違い:EQと圧縮をどこまでまとめる?

名前が似ていても、コンプレッサーやゲートの有無は違います。ApogeeとBrainworxの3製品を、処理の役割・旧版の所有条件・試用する順番から比べます。

先に結論

  • EQと圧縮を一画面で扱うならECS2。ゲートまでまとめたいならbx_console SSL 4000 Eも比較する。
  • 8068は3バンドEQと入力段の色付けが中心。コンプレッサー内蔵を前提に選ばない。
  • 旧Apogee版の所有者はPA版の取得案内を先に確認。既存セッションの設定は自動移行しない。

チャンネルストリップを買う理由は、録音機材の名前をそろえることより、何度も行う調整を扱いやすくすることです。歌の低域を整理し、音量差を抑え、少し色を加える。その一連の操作をまとめたいのか、一つのEQだけが必要なのかを先に決めます。

この記事は現行の公式資料に基づく機能比較です。音質順位やCPU負荷の実測結果ではありません。

まず、必要な処理を二つに分ける

音の明るさや低域の量を変えるEQと、大きい音・小さい音の差へ働くコンプレッサーは役割が違います。3製品の名前だけでは、両方が入っているか分かりません。

入力段の色付けとEQを組み合わせる構成。圧縮は別に考える8068:音色を作る

入力段 + 3バンドEQ。圧縮が必要なら別のコンプレッサーを組み合わせる。

EQとコンプレッサーを一つにまとめ、必要ならゲートまで含めて比較する構成ECS2・SSL:音色と強弱を整える

ECS2はEQと圧縮、SSL 4000 Eはゲートも含めて操作をまとめられる。

同じ「ストリップ」でも、入っている処理を確認。図は機能の組み合わせを整理したものです。実際の内部信号順や製品画面の再現ではありません。

3製品を、今の作業に当てはめて比べる

表は左右にスクロールできます →

候補 主な処理 試したい場面 購入前の注意
ECS2 Channel Strip 4バンドEQ、VCA圧縮、Drive、フィルター、Mix 歌や楽器の基本調整を一画面で進めたい 3バンドの旧ECSやハードウェア内蔵版と区別
Clearmountain 8068 3バンドEQ、Mic/Line入力段の色付け 手持ちのコンプは残し、コンソール系の音色を足したい 公開機能にコンプレッサーは含まれていない
bx_console SSL 4000 E 4バンドEQ、圧縮、エキスパンダー/ゲート、フィルター ドラムなどで複数の処理と順序をまとめて調整したい 4000 Gや他メーカーのSSL製品とは別商品

ECS2の特徴は、色付けを加えながらEQと圧縮を扱えることです。現行ECS2は4バンドEQ。古いECSの紹介にある3バンド仕様を、そのまま購入判断に使わないようにします。Symphony Desktopの購入にECS2が付属するとは、メーカーの現行ページも案内していません。

8068を選ぶなら、入力段とEQを変える理由を持っておきたいところです。MicとLineの違いを同じ素材で試し、Auto Gainを使っても出力音量を自分で確かめます。音量が増えた印象と、欲しかった音色の変化を分けて聴きます。

SSL 4000 Eは、処理をまとめる範囲を広げたい場合の候補です。EQのBlack/Brown、EQをダイナミクスの前後へ置く選択もあります。ただし、機能が多いこと自体は購入理由になりません。ゲートを必要としない素材なら、まずオフで比べます。

単体EQやコンプレッサーを残す選び方もある

気になる共鳴を一つ除きたいだけなら、今のパラメトリックEQから試せます。コンプレッサーの反応を細かく変えたいなら、Presswerkのような単体製品との比較が先です。反対に、少ない操作で圧縮量を決めたいならOpto-3Aが比較候補になります。

Presswerkのメーカー公式画面。コンプレッサーの反応とサチュレーションを調整する操作が並ぶ
圧縮の操作が欲しいなら、単体コンプと比較。Presswerkは用途別の画面や検出方式を備えます。画像:u-he(Heckmann Audio GmbH)/公式プレス資料。編集部の実使用画面ではありません。

EQだけでも、低域・高域を形作るEQP-1Aと、中域を扱うMEQ-5では役割が違います。コンソール一式を買う前に、足りない処理がどこかをEQ・コンプレッサー・リミッターの基礎で整理できます。

Apogee旧版を持っているなら、買い直す前に確認

Apogeeの移行案内では、対象の旧版所有者に対応PA版の無償取得を案内しています。PA版はiLok不要ですが、旧版とは別プラグインで、既存セッション内の設定は自動移行しません。過去の曲に必要な旧版と認証は残します。

新しく買う場合は、PAの商品ページにある現行環境とDAWの対応形式を確認します。この記事の比較対象はDAW内で動くNativeプラグインです。ApogeeインターフェースのDSPで録音時に使う条件まで、同じものと考えないでください。

体験版では、同じ歌の一節を最後まで使う

  1. 歌かドラムを一つ選び、「低域の整理」「音量差」「色付け」のうち必要な調整を書き出す。
  2. EQだけ、圧縮だけと分けて試し、各段階でバイパス時と出力音量を近づける。
  3. 伴奏を戻して、歌詞やドラムの立ち上がりが残るかを聴く。
  4. 保存してDAWを閉じ、再度開いて設定と認証が戻るところまで確認する。

最後に「同じ目的を、今のプラグインより迷わず操作できたか」をメモします。買う理由を、ブランド名ではなく一つの作業で説明できれば、比較がしやすくなります。

ECS2の特徴と購入先 / 8068の特徴と購入先 / SSL 4000 Eの特徴と購入先

確認した一次資料

製品仕様・対応環境の確認日:。購入時はメーカーと販売店の現行条件を再確認してください。

  1. Apogee:ECS2の4バンドEQ・コンプレッサー・同梱条件
  2. Plugin Alliance:ECS2の現行配布仕様
  3. Apogee:8068の入力段とEQ
  4. Brainworx:bx_console SSL 4000 E
  5. Brainworx:SSL 4000 Eマニュアル
  6. Apogee:PA版への移行と旧セッション
  7. u-he:Presswerkの処理と用途別画面

ソフトの解析精度・音質・動作速度を実測した記事ではありません。 用途への適合は、記載した仕様からの編集判断です。