選び方

無料シンセVitalとSurge XT:最初の1本をどう選ぶ?

音作りを目で追うか、複数の方式を試すか。無料版の範囲、プラグイン形式、プリセットと本体の違いから選びます。

先に結論

  • Vital BasicもSurge XTも無料で使えるが、得意な入口と必要環境は異なる。
  • プリセットを買うときは、必要なシンセ名とバージョンを先に確認する。
  • DAWの対応形式、OS、CPUとグラフィックスの要件を合わせる。
Vitalの波形とモジュレーションを編集する操作画面。
比較する製品の一つ、Vitalの操作画面。画像:Vital Audio公式プレス素材。 配布元

無料でも、同じ種類のシンセではない

Vitalはスペクトラル・ウェーブテーブルシンセで、波形やモジュレーションの変化を視覚的に追えることが特徴です。波形が動く仕組みを見ながら音を作りたい方の入口になります。

Surge XTは、ウェーブテーブルを含む複数の合成方式を備え、2つのシーンと各3基のオシレーターを使えるシンセです。シーンは一組の音作りの設定で、2つを重ねたり、鍵盤の範囲で分けたりできます。FM方式や弦の振動をモデルにするString方式もあり、いろいろな音の作り方を試したい場合に比較する理由があります。

Surge XTの操作画面。2シーンの切り替え、発振器とフィルター、下部の変調設定が並ぶ。
Surge XT 1.3の操作画面。画像:Surge Synth Team。公式マニュアル · 原画像・出典 · GPL-3.0。

作りたい音から、最初に触る機能を選ぶ

次は、公式に掲載された機能から考えた試し方です。

  • 変化するベースやパッドを作る: Vitalで波形の変形とLFOの割り当てを試す。画面の動きと音の変化を対応させて覚えたいときの入口です。
  • 厚みのある和音を、2つの音で組む: Surge XTの2シーンで、短い音と長く伸びる音を重ねる。片方ずつ鳴らし、役割を分けて調整できます。
  • 金属的な音や、はじいた弦のような音を探る: Surge XTのFM・Stringなど、発振方式を切り替えて比べる。方式の違いを一つのソフトで学びたい方に向きます。

すでに手持ちのシンセで必要な音を作れているなら、プリセット数だけを理由に乗り換える必要はありません。今の道具で困る場面を一つ決め、同じMIDIフレーズで試すと使い分けが見えてきます。

無料の範囲と、追加購入の中身

確認項目 Vital Basic Surge XT
入手費用 無料のBasicプラン 無料・オープンソース
音作りの機能 Basicでもシンセの全機能 複数の合成方式、2シーン
配布内容の違い Basicは75プリセット・25ウェーブテーブル 公式配布版の音色・エフェクトを利用
主なプラグイン形式 VST・VST3・AU・LV2 VST3・CLAP、MacのAU、LinuxのLV2

形式はOSによって使えるものが違います。AUはMacの環境向けで、WindowsのDAWではそのまま使えません。DAWが対応する形式を先に見てから、対応するインストーラーを選びます。

Vitalの有料プランは、主にプリセット、ウェーブテーブルなどの配布内容やサービスに違いがあります。「Basicは音作りの機能が足りないから、最初から有料版が必要」とは考えなくて大丈夫です。Vital Basicの詳しい条件も確認してください。

1つの音色で、操作の相性を確かめる

両方を大量の追加プリセットと一緒に導入する前に、1つのソフトでベースやパッドを作ってみる方法があります。プリセットを選ぶ、フィルターを動かす、エンベロープで音の長さを変える、必要ならLFOを割り当てる、という順に進めます。

作った音色を保存して開き直せるか、実際のプロジェクト内で負荷に無理がないかも確認します。音色数の多さだけでなく、欲しい音へたどり着く操作が理解できるかが、続けて使ううえで役立つ判断材料になります。

本体が無料でも、プリセットの条件は別

他社のプリセット集を買うなら、対応するシンセ名、必要バージョン、収録されるファイルを見ます。Vital用の設定がSurge XTでそのまま開くわけではありません。WAVループやMIDIが付くか、デモのドラムが未収録かも確認しましょう。

サンプル・MIDI・プリセットの違いでは、購入形式を間違えないための順序を説明しています。Surge XTの導入条件には、OSごとの形式とソフトのライセンスについてまとめました。

まずDAWへ読み込めるか確認する

VitalはOpenGL 3以上などのグラフィックス条件も公式に示しています。古いPCではOS名だけで判断せず、CPU・GPU・DAWの構成まで確認します。Surge XTも対応OSと形式、配布版を合わせて導入します。

シンセは楽器音源です。マイク音声を加工するエフェクトのトラックへ挿しても、期待した使い方にならないことがあります。DAWの楽器トラックを作り、MIDI入力から発音できるかを確認してください。

導入先はVitalの公式ページとSurge XTの公式ダウンロードです。各記事で条件を確認し、使うOSとDAWに合う配布版を選んでください。

確認した一次資料

製品仕様・対応環境の確認日:。購入時はメーカーと販売店の現行条件を再確認してください。

  1. Vital:機能と各プラン
  2. Vital:対応環境
  3. Surge XT:機能と対応環境
  4. Surge XT:FAQ

ソフトの解析精度・音質・動作速度を実測した記事ではありません。 用途への適合は、記載した仕様からの編集判断です。