Sinphonica MAESTOSA Strings発売:60人編成の弦楽器音源
IKの新しい弦楽器音源は、5種のレガートと奏法のモーフィングが特徴。全パート版・個別パート版の違い、16GBメモリーと保存容量の条件を整理します。
公式資料をもとにした紹介です。実使用・試聴・測定によるレビューではありません。掲載リンクは通常リンクです。
何が新しい? 60人編成を収録した弦楽器音源
IK Multimediaは2026年10月8日、Sinphonica MAESTOSA Stringsの販売・ダウンロード開始を発表しました。イタリアの弦楽奏者60人の演奏を収録したソフト音源です。60という数字は収録した演奏者の人数で、60種類の独立した楽器が入るという意味ではありません。
この記事は公式の発売告知・機能説明・動作条件をもとにした導入前の整理です。実際に使って音質や演奏時の負荷を測ったレビューではありません。
自分で音符を打ち込んだりMIDIキーボードで演奏したりして、弦楽器のパートを組み立てます。完成済みのフレーズを並べるループ集とは用途が異なります。映画・ゲーム音楽のような大きな弦の編成や、音のつなぎ方まで調整するアレンジを考えている方に、検討理由があります。
音をつなぐレガートと、奏法を混ぜるモーフィング
特徴は5種類のTrue LegatoとArticulation Morphingです。レガートは、音符と次の音符の間をどうつなぐかという演奏表現。MAESTOSAではSlur、Glissando、2種類のPortamento、Runsが用意され、ゆったりした旋律と速いパッセージで使うつながりを選べます。
Articulation Morphingは、2つの奏法をMIDI CCやベロシティで連続的に混ぜる機能です。奏法を一瞬で切り替えるだけでなく、フレーズの途中で質感を変える使い方が考えられます。どの組み合わせが曲に合うかは、公式デモで音の変化を確認してから選びたいところです。
さらに8つのマイク視点とPALCOの仮想ステージ配置を備えます。これは「遠い・近い」「左右の配置」といった空間表現を作るための選択肢です。機能が多いほど必ず良い仕上がりになるわけではなく、手持ちの音源で不足している表現があるかを基準にすると選びやすくなります。
全パート版と個別版、どちらを選ぶ?
全パートをまとめたComplete Collectionに加え、次の5パートを個別に選べます。
| パート | 収録編成 | 音源データ容量の目安 |
|---|---|---|
| 第1バイオリン | 16人 | 26.9GB |
| 第2バイオリン | 14人 | 26.1GB |
| ビオラ | 12人 | 25.7GB |
| チェロ | 10人 | 34.4GB |
| コントラバス | 8人 | 20.0GB |
表のGBは保存する音源データの容量で、使用中に必要なメモリー量や、インストールに必要な空き容量とは別です。
全体を一から書き分けるなら全パート版、手持ちの編成にチェロなど一部だけ足すなら個別版が比較対象になります。ただし、個別版を複数そろえた総額と全パート版の価格は別です。公式は個別版から全パート版へのアップグレードも案内していますが、将来の差額をここで保証するものではありません。
すでに弦楽器音源を持ち、曲に必要な奏法も足りているなら急いで追加する必要はありません。逆に、まだオーケストラの打ち込みを始めたばかりなら、付属音源で各パートの役割を試してから大容量の製品へ進む方法もあります。
導入前に見るのは、メモリーとインストール用の空き容量
公式の最小条件はメモリー16GB。MacはApple M1またはIntel Core i5、macOS 10.15以降、WindowsはCore i5相当以上と64bit Windows 10以降を案内しています。MacはAU・VST3・AAX、WindowsはVST3・AAXに対応し、WindowsにはASIO対応の音声デバイスが必要です。認証にはインターネット接続を使います。
DAWで使う場合は、手持ちのDAWがこのプラグイン形式とOS・CPUの組み合わせに対応するかも確認します。たとえばAUはMac用で、Windows側の対応形式としては案内されていません。
全パートの音源データは133.1GBですが、公式の動作条件には少なくとも250GBのディスク空き容量も記載されています。音源データの数字だけでインストール可能と判断せず、ダウンロード・展開先も含めて導入手順を確認してください。個別版のデータ容量だけから必要空き容量を決めることも避けます。
16GBは最小条件で、大編成を快適に演奏できる保証ではありません。 複数パートや複数マイクを使ったときの負荷は、CPU、メモリー、設定や曲の内容にも関わります。本記事ではその快適性を検証していません。手持ちの機器でどれだけ同時に使えるかを確認してから導入を考えてください。
また、これはSinphonica Playerを使う製品です。Kontakt用ライブラリーやSpitfireの専用プレーヤー用音源と取り違えないようにします。音源のプレーヤーと導入条件の見方も合わせて確認してください。
既存Miroslav所有者は購入前に対象資格を確認
10月8日の発売告知では、登録済みMiroslav Philharmonik 2所有者向けの全パート版割引を案内し、対象者には決済時に自動適用すると説明しています。Miroslavという名前を持つ全製品が対象とは案内されていません。所有している製品名と対象となる登録の有無を確認してから、新規通常版と比較してください。告知の価格は米ドル・ユーロの税別表示で、日本円の税込購入総額ではありません。終了日も告知からは確認できないため、期間を推測していません。
購入時は、全パート版か単体パートか、所有者向け条件が適用されるか、税を含む最終総額を公式の購入欄で確認します。
導入先と購入条件
IK Multimedia
確認した公式資料
価格・付属品・動作条件は変更される場合があります。購入時に公式の現行条件を確認してください。